施設により呼び名も違い、胎児スクリーニング、胎児精密超音波検査、胎児ドックなどと呼ばれているらしい。
チェック項目もどこまで詳しくするかは施設により異なるらしく、まだまだ一般的ではないが。
大学病院に羊水検査の予約を取りに行った際、この、胎児スクリーニングも希望するかと問われていた。
検査できる時期は中期(18週〜20週前後)、事前予約が必要なのでついでにとりますか、ということだった。
羊水検査にしても、この胎児スクリーニングにしても、言葉の雰囲気はわかれど、詳細な知識などない。
ついで・・・と言われても。
こういうとき、一番知りたいのは、その検査をする必要が、 一般の話ではなく、“ 自分にとって ” どのくらいあるのかということじゃないのかなぁ?
羊水検査でわかることと、胎児スクリーニングでわかることの違いは云々、他の施設では受けることができないのか云々・・・そういった説明も質問せねば得ることはできなかった。
納得できないとどうにも動けない自分。一旦持ち帰ることに。
なんちゅーか、こう、流されるのはイヤと言いますか。
こういう対応ひとつで、病院も金稼ぎにはしったか?などと疑心に思ったりして。
本来検査の目的は、何らかの異常もしくはリスクが疑われ、その存在や程度を確認するために行うのだという見方が私にはあって。だから、まずは現在の私が置かれている状況、異常やリスクがあれば、そのために必要な検査の説明、メリットやデメリット等・・・
その上で、「検査を希望しますか?」という流れになるものではないのかと思うのだ。
いきなり、「羊水検査しますか?」「胎児スクリーニングしますか?」というのは、どうも自然でないというか。
せめて、「胎児スクリーニングはご存知ですか?」から話が始まるのであれば、まだ納得もしたんだけどなぁ。
はてさて。
自分なりに調べたり考えたり、晋ちゃんや沖縄のおーちゃんとも相談したりして。
受けることにした。
【 18w5d 】 胎児スクリーニング(中期超音波検査)
産婦人科にて超音波室に呼ばれる。そのまた個室、機械とリクライニングできるチェアがあるのみのこじんまりした部屋で検査開始。モニター画面に、様々な角度からとった胎児の様子が映し出される。
「ここ、おしりの部分ですよ。脚もちゃんとあります。」
「ここは腕や手の部分で。指先までちゃんとありますよ。」
「今、手を口のほうに持ってきてますねぇ。口開いてるのわかりますか?あ、あくびしてますね!」・・・
測定しながら、ちょっとした説明をしてくれる。こんなにお腹の中の胎児の様子を見ることができたのは、今回初。うわぁ!と感動しながら眼は釘付け。一瞬、頭の隅を羊水検査の結果が陽性だったら・・・などとかすめ、ちょっと複雑な気持ちになったが、なぜかそういったネガティブな感情は、すぐに消えてしまった。それほどまでに、赤ちゃんの様子は神秘的で魅力的。すでに胎動も少しは感じている時期でもあり、あ、動いた!と腹の中に動きを感じると、モニター上の脚もニュニュッと動いたりしている。愛しい気持ち、楽しい気持ち、本来妊婦ってこういう気持ちで過ごすのがbestなんじゃないのかな。とても幸せな、なんとも言えない気持ちだった。
と、心臓をみていたとき。
「これが心臓。ちゃんと部屋もありますねぇ・・・」
それが最後。
これまであんなに話をしてくれていたのに、ピタッと喋らなくなってしまった。見ると、技師さんの表情が少し深刻そう。ひたすらモニターを凝視してカチャカチャ(PCのkeyを操作する音)。エコーのプローブの位置がちょっとずつ変わっては、また止まり、そして沈黙の中、カチャカチャカチャカチャ。何分そうしていただろうか、こちらもなぜか声を掛けることができない。と、おもむろにその技師さんは席を離れ、部屋を出て行った。
一人残され、一気に不安が押し寄せた。
何で急に喋らなくなったんだー!?
せめて部屋を出るなら、一言!!
何でもいっから喋ってくれーーーーーーっっ!!
戻ってくると、上司の先生らしき人と、もう一人を連れていた。上司の先生が私に声を掛けた。
「大丈夫ですよ。もう一度、ちょっと見させてくださいね。」
と言われましても・・・。ザワザワと落ち着かない気持ちで、しかし、黙ってモニターを見るしかない。
狭い部屋に4人で沈黙の時、ただPCを操作する音だけが無機質に流れる。
こういうときの沈黙は、たとえ数分でもたまらない。
だあーーっっ!!!!
どしたと!?何ばそげん深刻になっとーと!?
何があったと!?
んもうっ・・・
居たたまれず、外に飛び出したい。
ドキドキドキドキ・・・・
随分と長い時間が経ったように感じた。
先生が口を開いた。
「大丈夫。異常ありませんでしたよ♪ 」
画面が変わった。
「あ、ちょうどこっちを見てますねぇ。わかりますか?
ココが眼で、ココが口で。お口、開けたり閉じたりしてるの、わかりますか?」
きっと、先生は不安そうな私を安心させようと、最後にこんな画像をみせてくれたのかもしれない。
えぇ、えぇ!わかりますとも!
それより、異常なかったんですね!?
「あの、羊水検査もしたのですが。エコーからは異常な兆候は見受けられないということですか?」
「はい。でも確定ではありませんので。羊水検査の結果はきちんときいてくださいね。」
確定ではなくても、異常がないという結果を聞くのは、やはり嬉しい。
その後、血圧を計り、検査は終了。
二日後には羊水検査の結果が出る予定。
なにか験担ぎ的な、こうなったら何でもいい、そうだ!スタバったら良い結果が出るってのはどうだ!
不安な気持ちはどこへやら。
スクリーニングの結果にやはり、安心したのは事実。
今度もきっと大丈夫。
そんな気持ちを込めて
スターバックス。
<補足>
今回かかった費用。
保険は利かず、本来ならば自費で6000円。
しかし、市の妊婦健診助成が適用されたため、1000円也。
お安く済みました。