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    6.先生のこと
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      2007/11月
      産後、大阪に戻ってからは、なかなか病院にも思うように通うことができませんでした。
      自分ひとりならまだ何とかなるのですが、足腰を痛めたこともあって、子供を抱いて外に出ることがままならず。

      正直、治療に対する疑念もでてはいました。ずっと漢方の先生について治療をしてきたのですが、結局は思うように治らず、悪化するばかりでこの有様です。先の見えない不安や、医師に対する疑心やら。先生は悪い人ではない、でも、私に対しての見立てはうまくいってないんじゃないだろうか、など。

      でも、いくら疑念を抱いていたとしても、こういう状況に陥ると、他に頼る人もおらず。症状の酷い体で、交通機関を使ってどこかに行くということがまずできません。起き上がることすら辛い。自家用車もないし、まだ幼い子供もいるし、この先通うということを考えても、結局は近場でしか病院を探すしかないのです。でも、近場でそうそう信頼できる医者がみつかるはずもなく、まして、今この状況で、新しく病院めぐりをして吟味する気力もありません。

      頼るのは、やはりかかりつけの医師でした。

      電話で先生の声を聞いただけで、涙が溢れます。ちゃんと話さなければと思っても、声が詰まって、助けて欲しいという気持ちが言葉よりも先に嗚咽になってしまいます。

      先生は、ゆっくりと優しい声で話かけてくれました。
      「おーう、どうしたー? ちょっと深呼吸してみよか? うん。 ゆっくりでいいからね。」

      途切れ途切れになりながら、辛いということ、助けてくださいということ、ただそれだけを何回も繰り返しました。頭では、ちゃんと説明しないといけないとわかっていても、この言葉しかでてこない。

      その日、先生は出張で病院にいませんでした。携帯番号は、状況を察した事務の方が教えてくれて、それで先生と繋がることができたのです。先生は、「明日病院に行く前に寄るので、それまでもし何かあったらいつでもこの携帯に電話しなさい。番号を登録しとくといいよ」、と仰いました。

      翌朝7時頃、先生は家に来てくれました。

      布団に横になったまま先生と対面し、先生の顔を見ると、また涙が溢れました。

      「もぅ、だいじょうぶやからな。 よぉ、頑張ったなぁ。 しばらくは往診という形でいこか。 うちのスタッフみんな応援しとるからな、だいじょうぶやで。 私が来れないときでも、誰かを使わせます。 一日一回は顔みにくるからなぁ。」

      ここの病院は往診はしていません。でも先生は言葉通り、年末近くまでほぼ毎日来てくれました。最初の頃は、朝と夕の2回も。たまに、患者さんから頂いたという柿やリンゴのお裾分けも一緒に。そして、後になってもそのときの往診代はまったく請求されませんでした。

      先生と看護婦さんが見えて、採血などしたときはそのお金がかかりますが、あとは処方箋代くらいです。ですので、薬代と検査代しかとられていません。先生や看護婦さんは、家に来るとしばらく色んな雑談をしていかれました。看護婦さんは歳も近いこともあり、色んな話をするうちに、その後、ちょっとした友人のようになりました。

      面倒をみにきてくれたお義母さんと初めて対面したとき、先生はこう説明していました。

      「この子ね、ほんと頑張り屋さんなんですよ。大阪来て誰も知り合いおらんとこで、一人でよぉ頑張って。また、限度がわからん子やから、頑張り過ぎてしまったんですね。やから、周りがちょっと止めてやらなあかん。少しゆっくりさせてあげてくださいね。お義母さんみえてほんと安心しました。よかったなぁ。」

      自分では、頑張ったという気がもぅなくて。しなきゃしなきゃと思っても体がついてこず、晋ちゃんにばかり負担がかかって。なのに、こんな風にお世辞でも言われたことが、泣けてしょうがありませんでした。

      また、先生は私のいないところで晋ちゃんと話したとき、こういう風に言ったそうです。

      「彼女のあの震えは、精神的なところが大きい。産後のストレスもあったろう。今は彼女を一人にせんほうがいいね。サポーターは多いほうがいい。」



      症状のことについては、不安なことが色々とありました。

      ・ 血や体液が混じる母乳を与えていていいのだろうかということ。

      これに対しては、「だいじょうぶ。すっぽんの血を飲む人だっておるんやで〜。おっぱいなんて色がついてない血と同じなんやし、だいじょうぶや!」という返事で。納得するかという点では、いまいちハテナ?でしたが。きっと先生なりの励ましを込めたジョークだったのでしょう。大丈夫という言葉だけを信じました。

      ・ 感染症にかかるのだけは回避したいこと。

      かつて、アトピーが悪化してカポジにかかったことがあり、そのときの酷さや恐怖といったものを経験しただけに、それはそれは恐ろしく。また、カポジもそうですが、こういう状況では黄色ブドウ球菌が繁殖することが多く、万が一我が子にそういうものが移ったりしたら・・・そういうことを考えると、これだけは絶対に避けたい事項でした。
      これについては、どんなに痛くても辛くてもシャワーは浴びて、浴びた後はイソジン消毒をして洗い流して清潔にすること、そして状況によって抗生物質の服用をすること。この2点で対策をとることになりました。


      そして・・・

      ・ いくらアトピーが悪化するといっても、なんでこんなに酷い出方になっているのか?

      「今の時期、リバウンドがでてきてる人がちらほらいます。なにか出易い時期というのがあるかもしれんけど、それが何かはわからんねぇ。」

      私はこの10年ちょっと、自分の知り得る限りでは、ステロイドを使用していません。なのに、今更リバウンドということがあるのでしょうか。

      先生曰く、『ある』とのことでした。
      そうやって、長い期間経って急にリバウンドが来る人もおるようや、と。

      でも、正直なところ、私はこの件についてはスッと理解できませんでした。
      未だグレーな気持ちが残っています。こぅ、検証できていないもの、できなくとも、せめて論理立った推測であればと思うのですが、それもないような状況で、全てをステロイドのリバウンドのせいとするのは、ちょっと強引なように思えてしまって。なので、これに関しては今のところ、ステロイドとの因果関係はわからないが、リバウンドのような酷い状態になるときがある、という風に自分では結論づけています。根拠のないソースをネットで流したくはないので。余談ですが、その後、皮膚科の先生に同じ質問をしたところ、10年も経ってステロイドのリバウンドがでることは絶対にないと言い切られまして。結局は専門家の中でも意見わかれるところのようですから、素人の私は尚更、根拠ない発言はしないようにしとこうと、そういうスタンスでいます。

      いつも思うのですが、ことアトピーという病気に関しては、専門家の意見が両極端に分れていたり、またその端々のなかでも枝分かれしており、更に民間療法なども加えると、あまりにもまとまりがない気がしてなりません。

      科が違うと、ヤレそっちの意見は所詮専門ではないだろうとか、民間療法を認めていなかったりだとか、同じ科であっても、病院が違えばステロイドの使い方さえ違ったりしますし、それ以前に、その薬に対して肯定か否定かという時点で分れていたりします。

      そんな状況で、患者は一体何を信じればよいのか。アトピーは精神的ストレスも要因だと言いながら、そのケアは十分にされているとも言い難く、3分医療の中でどれだけのケアがされているのか、疑問でもあります。

      今回のこともあり、私はかかりつけの先生に、本来の医師としての姿といいますか、そういうものをみた気がします。良くなる、良くならないは別として、こんなに寄り添ってくれる先生は、今の時代、珍しいタイプなのではないでしょうか。

      この先生が頼りでした。

      カテゴリ:産後のアトピー | 01:49 | comments(5) | trackbacks(0) | - | - |
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        コメント
        はじめまして。
        私も大阪に住んでます。成人アトピーになって、ステを使いながらリバウンドが怖くて、今は減ステしながら解毒作用の薬を飲んでます。
        酷い状態では生活すらままならないのにママさんの仕事も。母は強しですね。私はアトピーになって恋愛恐怖症になりました。自分を受け入れられないんでしょうね?愛する家族がいて羨ましい?

        母乳成分はほぼ血液から出来てるから大丈夫だと思います←看護学生なんで習いました?

        私も漢方に興味あるんでまた教えてください。応援してます
        | 麦茶 | 2008/09/06 2:29 AM |
        そんなお医者様が今のこの時代にもみえるのですね。
        はるさんの頑張りを無にしてなるものかって医者と患者という立場をはるか越えた関係。なかなか真似できるものじゃないですよね。

        私も息子に血やら体液やら混じった乳をあげてました。なかなか離乳食を食べてくれなかったので2歳過ぎまで飲ませてました(汗)産婦人科、小児科、皮膚科、内科、と医者にかかる度に(さすがに歯医者では見せませんでしたが)自分の乳の状態を見せ、『あのぉ、こんな状態の母乳をあげ続けて大丈夫でしょうか』と聞いてました。どこの科でも『大丈夫。』と、『心配せずに美味しい母乳たっぷりあげてください』って言ってくださった先生もみえました。今思い出すとかなり恥ずかしいのですが、あの時はそんな恥じらいより我が子の栄養源がこれで本当に大丈夫なのかとそれだけが気がかりで。はるさんと同じ質問してたわ♪ってまた勝手に親近感を覚えてしまいました。
        | Aco | 2008/09/06 9:09 AM |
        私もステロイドを絶ってもう17年ほどになります
        で今の状況・・・
        これをリバウンドと言ってしまうには???が多すぎます
        だけど
        私が勝手に思っているのは
        以前に使ったステロイドがなんらかの作用を未だに体に残していると言う事を感じずにはいれないです
        でなければこんなに体全体にアトピーが広がるはずは無いと
        私なりに考えています
        だからどーよ?だからどーするのよ?って事なんやけどね・・・
        ほんまはるちゃんのブログには毎回泣かされる〜〜〜
        頑張ったんやな
        イヤ今も頑張ってるよね
        ボチボチやで ボチボチ行きましょう
        お互いに
        | まゆ | 2008/09/06 3:06 PM |
        はじめまして こんにちは。
        私も5年前、自分としては10年以上ステロイドを塗っていないつもりだったのに、5年前のアノ日、ドッツカーーーンっとやってきました・・・リバウンド。
        でも、もしかすると10年前、外耳炎らしき症状で耳鼻科に通っていたときステロイド・・・使われてたかもしれません(憶測です)。
        とにかく一度抑えてしまった免疫機能を元通りにするのはとても厄介なことのように感じます。5年経ってもまだ波があります。
        ちなみに今は良くない時です。

        きはるちゃん、かわいいですね!子供ってあんな寝方するんだぁ。おもしろ〜い!! 沖縄の海での事件、笑い事じゃないけど、アノ文章・・・すごい笑えました!
        | さくら | 2008/09/08 12:03 PM |
        >麦茶さん
        はじめまして!コメントありがとう。
        看護学生さんなんですね。症状が酷いと、仕事や学業や、やらねばならないものがあるのって、励みにもなるけど、辛いときもありますよね。看護の仕事はまた「白衣の天使」みたいなのを想像させるため、患者さんの中にはどうしてもわがままになる人もいるだろうし。自分がきついときにそういうことに対処するときのストレスもあるのでは?と、勝手に想像したりします。学校いって、勉強して、麦茶さんのその頑張りが、いつか花開くときがくるのを応援しています!
        恋愛恐怖症の話、そうだよねぇと共感しました。恋愛に限らず、対人関係の全てが億劫になるときもありますよね。文面からお察しするに、麦茶さんはまだ若い(と思いますが、いかがでしょー?)。今、そうやって悩んで苦しんで頑張っていることが、貴方というかけがえのない存在を形成し、そういう貴方のよさを見初める異性がきっと現れると、そう願っています。安請け合いはできませんが、わたしでも晋ちゃんという物好きさんとパートナーになれましたから、きっと大丈夫ですよ♪

        >Acoさん
        そうですよね!やっぱりそういう状態での授乳って心配になりますよね!母親学級や育児本みても、こんなことって書いてないじゃないですか。少しでも不安なことがないか、本当に安全か、何箇所も病院に行く度に質問していたというAcoさんの気持ち、すごくわかります。Acoさんのお子さんがスクスク育っているということは、どんな言葉よりも説得力がありますよね。私も安心しました。

        >まゆさん
        だからどーよ?どーするのよ?ってなるなる!原因がたとえわかったとしても、この肝心なところがはっきりしないことが多いですよね。血液検査でアレルゲン反応がでたからと、それを徹底的に除去しても、治らなかったりするでしょー?なんだかなぁ・・・と凹みますよね。
        ブログは、昨年のことをダレダレと書いていますが、今はおかげさまで私のアトピーは落ち着いています。あまり行ったり来たり時系列をとばすと、なんか頭の中がこんがらがって書きづらくて。それで、順を追って書こうと思いまして。今は完全とまではいきませんが、かなり過ごしやすく生活しています。すみません、ご報告遅れまして。

        >さくらさん
        はじめまして!コメントありがとう♪
        そうですか。さくらさんも長年使ってなくても、そういう酷い状態になったのですね。一体、なんなのでしょうね。耳鼻科なりで局所的に使うステロイドが、そういう全身性のリバウンドを起こす可能性ってあるのでしょうか(・_・。)) ?? そうなると、アトピーの人は他の治療もしづらくなりますよね。。。免疫機能って難しいなぁ。さくらさん、今状態あまりよくないようですね、頑張りましょ。なんか、やっぱりこの言葉しか言えません・・・。オジョーの初海ねぇ!今思い返しても、ありゃぁ衝撃だったわぁ。事無きだったので、私ももぅ笑いしかでてきません(笑)。



        | はる | 2008/09/08 2:34 PM |
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